障害者枠とは障害を持つ人だけが利用できる雇用枠の一種で、障害者手帳を持っている人だけが利用できます。
一般雇用枠で働けない障害者のために作られた障害者枠ですが、具体的にどのようなものなのかご存じでしょうか?よく知らないまま障害者枠を利用すると、実際に会社で働いてから後悔するかもしれません。
そこでこの記事では、障害者枠を利用するメリットとデメリットを紹介しています。障害者枠を利用するかどうか迷っている方はぜひ参考にしてください。
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障害者枠のメリット
障害者枠を利用すると以下のメリットがあります。
- 職場の人から障害を配慮してもらえる
- 「バリアフリー完備」のような働きやすい環境で働ける
- 一般の人が利用できないので競争率が低い
では3つのメリットを解説していきます。
メリット1.職場の人から障害を配慮してもらえる
障害者枠はその人に障害があることを前提とした雇用枠です。会社も障害を持つ人が来るとわかっているので、障害者に配慮した環境で働けます。
たとえば一般の従業員より軽めの作業を割り振られたり、就労時間を調整してもらったりすることが可能です。職場によっては障害の症状が発生した際に、ちょっとした休息をもらうこともできます。
障害を持つ人にとっては働きやすい職場で働けるかどうかが大切ですが、障害者に配慮した障害者枠なら自分らしく働けるでしょう。
メリット2.「バリアフリー完備」のような働きやすい環境で働ける
障害者枠を採用している企業は、一般的な企業と違って障害者が働きやすい環境を整えています。バリアフリーはもちろん、車いす利用者や視覚障害を持つ人も働ける環境が整っているので身体的にも働きやすいです。
ただ、企業によって障害者を配慮した労働環境は異なります。企業を訪れる際は働きやすい環境なのかどうかよく確認しておきましょう。
メリット3.一般の人が利用できないので競争率が低い
障害者枠は障害を持つ人しか利用できません。一般の人が入って来ないので、必然的にライバルが減ります。
一般枠の場合は応募者が多く、障害を持つ人の場合はハンディを負っているので内定をもらうのは簡単ではありません。
しかし、障害者枠は障害を持つ人同士の戦いになるので、確率的に採用率も上がります。数字だけで見ると一般雇用枠で勝負するより、障害者枠を利用した方が内定を取りやすいです。
また、最近では障害者雇用促進法によって、大手企業が障害者枠を設けることも増えました。障害者枠が増えつつあるので、障害者枠を利用すれば就職しやすいでしょう。
障害者枠のデメリット
障害者枠で働くと以下のデメリットがあります。
- 求人数が少ない
- キャリアアップが難しい
- 給料が比較的に安い
続けて3つのデメリットを詳しく紹介していきます。
デメリット1.求人数が少ない
障害者枠の求人数はそこまで多くありません。一般雇用枠は求人サイトを除けば何万件もあります。職種も豊富にあるので、よほどこだわらない限り求人がないということはありません。
一方で障害者枠は障害者雇用促進法によって増えつつありますが、現状ではまだまだ多くなく求人数や職種が限られています。障害者枠は一般雇用枠ほど大々的に募集していないので、タイミングや希望が合わない場合は就職できません。
障害者枠はライバルが少ないからといって、必ずしも内定を勝ち取れるとは限らないので気を付けましょう。
デメリット2.キャリアアップが難しい
障害者枠は障害の問題で単純な仕事を請け負うことが多いです。たとえば、工場の軽作業や事務などの比較的簡単な職種で募集しています。
簡単な仕事は誰でもできるという安心感がありますが、簡単なだけにキャリアアップは難しいです。長年勤めても給料が大幅に上がることはなく、会社での立ち位置も微妙になってしまいます。
結果的に安い給料のまま長期的に働く可能性もあるので注意が必要です。
デメリット3.給料が比較的に安い
「平成30年度障害者雇用実態調査」によると障害者枠の月収はこちらです。
- 身体障害者:約21万5000円
- 知的障害者:約11万7000円
- 精神障害者:約12万5000円
- 発達障害者:約12万7000円
一方で一般雇用の月収は約26万4000円もあります。身体障害者の場合は比較的高い水準ですが、身体障害者以外の月収を見ると非常に低いことがわかるでしょう。
仮に月収12万円もらったとしても生活は苦しいです。そのため、障害者枠では生活できないと悩む障害者は後を絶ちません。
障害者枠のデメリットを解消する方法
障害者枠には大きく分けると「お金に困る」「求人の数が限られる」という2つのデメリットがありました。2つのデメリットを解消するためには以下の対処法が効果的です。
- 収障害者向けの支援を受ける
- 障害者枠だけでなく一般雇用枠にも応募する
では2つの対処法を詳しく解説していきます。
対処法1.障害者向けの支援を利用して金銭面を補う
障害者は以下の支援を受けることができます。
- 障害年金
- 障害者控除
- 生活保護
- 特別障害者手当
上記の支援を受けるためには条件を満たす必要がありますが、受給できれば金銭的な問題が軽減します。支援の詳細が気になる方は自治体の窓口を訪ねてみましょう。
対処法2.障害者枠だけでなく一般雇用枠にも応募する
障害枠はメリットもありますが、収入という面で見るとデメリットが大きいです。最初は働きやすいと思っても、徐々に収入面の不安が出てくるでしょう。キャリアアップも期待できないので、長期的に働いても問題は解決されません。
お金や求人数の問題を解消するためには、障害を持つ人でも一般雇用枠で働くのが一つの手段です。一般雇用枠であれば収入が極端に低いこともありません。順調にキャリアを積むことで、収入アップも期待できます。
障害者が一般企業への転職を目指すなら就労移行支援がおすすめ
就労移行支援とは、障害を持つ人が一般企業へ就職することをサポートしてくれる福祉施設です。就労移行支援を利用するためには障害者手帳が必要になりますが、利用することでさまざまな訓練を受けられます。
さまざまな訓練を通すことで、障害を持たない人と同じくらいのレベルで働けるようになるでしょう。
就労移行支援で受けられる訓練内容
就労移行支援では以下のような訓練を受けられます。
- 障害理解
- 障害の克服
- 履歴書の添削
- 面接対策
- パソコンスキルの習得
- コミュニケーションスキルの向上
- チームの中で働く力の向上
このように幅広く能力を伸ばせるのが就労移行支援の大きな特徴です。
また、就労移行支援は事前にカウンセリングを設けて、その人に合わせた訓練メニューを作ってくれます。たとえば、前職で人間関係の構築に苦労したと相談すれば、コミュニケーションを向上させられる訓練を受けられるでしょう。
今自分が困っていることに対する解決方法を訓練で学べるので、しっかりと訓練を受けることで一般雇用枠で働く能力が身に付きます。
ちなみに、就労移行支援では就労後の定着支援を受けることも可能です。会社で働いてみて困ったことが発生した場合は、気軽に相談できて対処法も提案してくれます。結果的に一般枠でも長期的な就労が可能になるでしょう。
発達障害を持っている方はディーキャリアがおすすめ
就労移行支援は全国にさまざまな事業所がありますが、発達障害を持っている場合はディーキャリアがおすすめです。ディーキャリアは発達障害を持つ人のサポートに特化しています。
ディーキャリアは優れた就労移行支援の一つで、ディーキャリアの公式サイトでは以下の実績を公表しています。
- 就職後の職場定着率…93.4%(就職後6か月の数値)
- 就職時の平均給与…19.1万円
- 利用満足度…93.3%(2020/12/~2021/1のアンケートによる)
いずれも優秀な実績ばかりですが、気になるところは就職時の平均給与でしょう。「平成30年度障害者雇用実態調査」によると発達障害を持つ人の平均月収は約12万円でした。
一方で、ディーキャリアの平均月収は約19万円もあります。約7万円もの差があって、19万円もあれば生活できるようになるでしょう。
ディーキャリアには優秀な実績を支えるノウハウがあります。発達障害をお持ちの方で一般雇用枠への就職を目指す方はディーキャリアを利用してみてはいかがでしょうか。
ちなみにディーキャリアでは無料見学会も開いています。ディーキャリアが気になる場合は、まず無料見学会を受けてみましょう。
まとめ
障害者枠を利用するメリットやデメリットを紹介してきました。
障害者枠のメリットは一般雇用枠と比べるとライバルが少ないので内定を勝ち取れる可能性が上がるところです。しかし、障害者枠は一般枠と比べると給料が少なく、障害者枠だけの給料では生きていけないでしょう。
障害者枠の給料問題を解消するためには、一般枠で就職するのがおすすめです。一般枠で働けば生活していける給料をもらえます。
もし一般枠でやっていける自信がない方は就労移行支援を利用しましょう。就労移行支援を利用すれば、一般枠で働くための訓練を受けられます。力をつけていくと障害を持たない人に近い能力が身につくので、一般枠で働く能力と自信がついてくるでしょう。
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