障害者雇用は障害を持つ人向けの雇用枠です。一般雇用枠と違って、障害に配慮したサポートを受けられます。
障害を持つ人にはおすすめですが、障害者雇用で働いたことがある人は「やめとけ」と言うことも多いです。これから障害者雇用で働こうと思っている人にとっては気になる評価でしょう。
そこでこの記事では、障害者雇用はやめとけと言われる理由について紹介していきます。障害のある人が一般枠の就労を目指す方法も開設しているので参考にしてください。
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「障害者雇用はやめとけ」と言う人の意見5選
障害者雇用をやめとけと言う人は、主に以下の意見を述べています。
- 一般雇用と比べると給料が安すぎる
- 簡単な仕事が多くてやりがいがない
- キャリアアップしづらい
- 採用枠が少ない
- 障害を持っていることが周りの人に知られる
では5つの意見を詳しく紹介していきます。
意見1.一般雇用と比べると給料が安すぎる
障害者雇用はやめとけと言われる最大の要因は給料の安さです。厚生労働省が発表する「平成30年度障害者雇用実態調査結果」によると、障害者の給料は以下の結果となっています。
雇用形態 | 月収目安 |
身体障害者 | 約215,000円 |
知的障害者 | 約117,000円 |
精神障害者 | 約125,000円 |
発達障害者 | 約127,000円 |
正社員の平均月収は30万円以上あると言われているので、身体障害以外は半分以下しかありません。月十数万円のお金しかもらえないと生きていくだけでも大変です。
このように障害者雇用は給料が安いのでやめとけとよく言われます。
意見2.簡単な仕事が多くてやりがいがない
障害者雇用は給料が安いと紹介しましたが、その原因は作業内容の単調さです。たとえば以下の仕事を行います。
- データ入力
- 処理整理
- 清掃職
- 工場内の軽作業
だれでもできるような仕事しか回してもらえないことが多く、結果として給料が低くなってしまいます。
そのうえ単調な作業だと、やりがいもありません。変わりはいくらでもいると考えると働く意義も感じられないでしょう。
意見3.キャリアアップしづらい
障害者雇用の作業は簡単な傾向にあるのでキャリアアップも難しいです。一般枠で入社すると勤続年数を重ねたり、スキルを身に付けたりすると収入が上がります。
一方で障害者雇用は軽作業をすることが多いので、そもそもスキルアップすることができません。勤続年数を重ねると収入アップすることもありますが、一般雇用と比べると伸び率は少ないです。
何年働いても収入に変化が見られないと「障害者雇用はやめとけ」と言いたくなる気持ちもわかるでしょう。
意見4.採用枠が少ない
障害者雇用は一般枠と違って常に募集されているわけではありません。そのうえ、障害者雇用枠を用意していない企業もあります。
たとえば、従業員数が43.5人未満であれば、障害者を雇う必要がありません(障害者雇用促進法43条第1項)。
障害者雇用枠は限られた数しか用意されておらず、いつでも応募できないので気を付けましょう。
ちなみに障害者雇用枠はハローワークの障害者窓口や障害者向け求人サイトなどで掲載されています。自分が住む地域にどれくらい障害者雇用枠が用意されているのか確認してみるのも良いでしょう。
意見5.障害を持っていることが周りの人に知られる
障害者雇用は障害者を持つ人が利用する枠です。障害を持っていることが前提条件となってしまうので、自然と周囲の人たちに障害を持っていることがバレてしまいます。
現状では、まだまだ障害に偏見を持つ人が多いので、障害持ちであることを知られるときつい対応をされることもあります。
過去に障害関連で嫌な思いをしたことがある人は、周囲の人たちに障害者であることを知られたくないのも当然です。そのため障害者であることが伝わる障害者雇用を避けたくなる気持ちもわかるでしょう。
障害者雇用で働くと2つのメリットがある
障害者雇用には反対的な意見が多いですが、以下のメリットもあります。
- 障害に関して周囲から配慮をもらえる
- 働きやすいので離職率が低い
続いて障害者雇用のメリットを具体的に紹介していきます。
メリット1.障害に関して周囲から配慮をもらえる
障害者雇用は周囲の人から配慮してもらいやすいです。たとえば以下のように優遇されることがあります。
- 薬を飲む時間が与えられる
- 体調の悪い日は休んでも良い
- 障害を持つ人でもできる作業を回してもらえる
仮に障害を企業に隠して働くと上記の優遇は得づらいです。障害のない人と同じように扱われるので、能力的に無茶な要求をされることもありえます。
しかし、障害者であることがわかっていれば、企業側としてもそれ相応の対応をすることが多いです。
メリット2.働きやすいので離職率が低い
障害者雇用は配慮されることから働きやすく、その影響で離職率も低いです。収入より働きやすさを優先している人の場合は、障害者雇用が向いています。
障害者雇用枠を避けて一般枠での就労を目指す方法
障害者雇用にはメリットもありますが、トータルで見るとデメリットの方が多いです。働きやすさを求める場合は障害者雇用枠が向いていますが、それ以外の人は一般雇用枠への就職を目指した方が良いです。
社会復帰するにあたって一般雇用枠への就労を目指す人は、以下の方法を利用してみてください。
- 障害者向けの転職サイトで求人を探す
- 転職エージェントに登録する
- 就労移行支援に通って一般枠で働く力を身に付ける
では3つの方法別に特徴を紹介していきます。
方法1.障害者向けの転職サイトで求人を探す
障害者向けの転職サイトには、障害者を積極的に採用したい企業が掲載されています。サービスによっては1,000社以上の企業が掲載されているので探しやすいです。
ただ、転職サイトの場合はすべて自分ひとりで対応しなければいけません。求人探しや企業研究、選考などもすべて自分で進める必要があります。
転職に慣れている人であれば問題ありませんが、転職回数が少ない人だと厳しいです。求人探しには適していますが、あまりメインで使うのはおすすめしません。以下で紹介する2つのサービスのサブとして利用しましょう。
方法2.転職エージェントに登録する
転職エージェントとは、利用者の転職をサポートしてくれるサービスのことです。たとえば以下のことであればサポートしてもらえます。
- 求人紹介
- 書類の書き方
- 面接対策
基本的に転職関連であればサポートしてもらえるのが特徴です。ひとりで転職活動を進めるのが苦手な場合や、選考がうまくいかない場合に向いています。
また、障害者向けの転職エージェントだと、担当アドバイザーが障害に精通しているケースも多いです。障害に詳しい人であれば、利用者としても接しやすいでしょう。
しかし、転職エージェントでは障害理解のサポートを積極的に実施していません。自分の障害について理解を深めたり、対処法を知りたい場合は不向きです。
方法3.就労移行支援に通って一般枠で働く力を身に付ける
就労移行支援では転職エージェントのような転職サポートに合わせて、障害理解を深めることもできます。障害の対処法を把握して、一般企業への復帰を狙う人にはぴったりです。
さらに、就労移行支援では訓練によって社会で必要な能力を身に付けることもできます。一般枠で働くためには、障害のない人と同じレベルで働けるのが理想です。
ただ、障害のある人が障害のない人みたいに働くのは簡単ではありません。そのためやむを得なく障害者雇用枠を利用している人も多いです。
そんな能力に自信がない人は、就労移行支援で社会に必要な能力を身に付けましょう。就労移行支援では最長2年にわたって訓練を受けられます。訓練を通してコミュニケーション術や社会マナーを覚えられるので、徐々に一般雇用で求められるスキルが身に付くでしょう。
スキルを覚えたあとは、そのままサポートをもらいながら転職活動へ進めます。今まで自分のことを見てきた担当者がその人の特性に合った仕事を紹介してくれるので、担当者とのズレが生じづらいのも魅力です。
このように就労移行支援は、障害が影響して一般枠で働く自信を失った人が復帰できるように徹底サポートしてくれます。「一般枠で働きたいけどスキルに自信がない」という人は、就労移行支援でイチから鍛え直すと良いでしょう。
発達障害がある人は就労移行支援「ディーキャリア」がおすすめ
発達障害を持っている人はディーキャリアを利用するのがおすすめです。ディーキャリアは発達障害に特化して支援を実施していて、主に以下の特徴があります。
- 就職後の職場定着率…93.4%(就職後6か月の数値)
- 就職時の平均給与…19.1万円
- 利用満足度…93.3%(2020/12/~2021/1のアンケートによる)
- 事業所の一室がオフィス環境なので実践を想定した訓練を行える
- 発達障害に特化したノウハウを受けられる
- コミュニケーション能力を向上する訓練がある
- ストレスの対処法を学べる
ディーキャリアで受けられるプログラムは質が高いので、それが影響して就職時の平均給与が約19万円と高額です。
「平成30年度障害者雇用実態調査結果」では発達障害者の平均給与は約127,000円なので、かなり高めになっていることがわかるでしょう。
もちろんキャリアアップすれば月収19万円から収入を伸ばしていくこともできます。月20万円をもらえれば、生活の負担も軽減されるでしょう。
「障害者雇用の収入が激安で生活できない」という発達障害のある人は、ディーキャリアで訓練して一般雇用枠への復帰を目指しましょう。
まとめ
障害者雇用はやめとけと言われる理由や障害者が一般枠へ転職する方法を紹介してきました。
障害者雇用は給料の安さが主な原因となって「やめとけ」と言われています。お金がなければ生きていけないので、障害者雇用への転職を制止しようとする人は多いです。
労働で収入を重視している人は一般雇用枠で転職しましょう。一般枠であれば比較的収入が高いので、収入面の苦労は軽減されます。
もし一般枠で働く自信がない場合は就労移行支援で訓練するのがおすすめです。就労移行支援であれば社会人に必要な能力を身に付けたうえで、転職もサポートしてもらえます。
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