会社に勤めていると電話対応しなければいけないこともあります。スムーズに電話対応できれば良いですが、なかなか電話対応が上手にいかない人もいるでしょう。
実は電話対応が極端に苦手な場合は、発達障害の可能性があります。この記事では、電話対応できない人が発達障害の可能性を持っている理由について紹介していきます。電話対応できないときの対処法もあわせて紹介しているので確認してください。
電話対応できない人が多い発達障害とは
発達障害とは、脳機能の発達に偏りがある障害のことです。幼少期に発覚することも多いですが、社会人になってから気付くケースも増えてきています。
発達障害には主に3つの症状があって、それぞれの特徴は以下のとおりです。
症状 | 特徴 |
ADHD(注意欠陥多動性障害) | ・じっとしていられない
・不注意なミスが多い ・突飛な行動をしてしまう |
ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群) | ・コミュニケーションを上手に取れない ・関心度によって活動に大きな差が出る |
LD(学習障害) | ・読み書きや簡単な計算を苦手とする |
いずれの症状も電話対応において苦手意識を持っています。特にコミュニケーションや周りの空気を読むことが苦手なASDにとって電話対応は難しい業務です。
電話対応できない人が発達障害と言われる理由
以下の理由から電話対応できない人は発達障害と言われています。
- 電話対応はマルチタスク能力を求められる
- 相手の顔が見えないので意図を読みづらい
- コミュニケーションが苦手な人も多い
では3つの理由を詳しく解説していきます。
理由1.電話対応はマルチタスク能力を求められる
電話対応は意外とマルチタスク能力が求められる仕事です。電話中は主に以下のことをすべてこなさなければいけません。
- 最初に社名や自分の名前を伝える
- 用件を聞く
- 用件を聞きながら話の内容をまとめる
- 必要があれば相手の質問に対応する
- 最後に締めの言葉を伝える
ひと言に電話対応といっても業務内容が多いです。相手の話を聞きながら、その内容を頭の中でまとめてメモする必要があります。
電話対応は幅広いスキルが求められるので、発達障害でない人でも苦手意識を持つほどです。障害のない人でもスムーズに電話対応するのが難しいので、発達障害のある人にとってはかなり厳しいでしょう。
理由2.相手の顔が見えないので意図を読みづらい
電話の悪いところは相手の顔が見えないところです。対面による会話であれば、相手のしぐさや雰囲気から話の意図や相手の機嫌などをつかむことができます。
しかし、相手の顔が見えないと声でしか相手のことを判断できません。声だけだと相手が何を考えているのかほぼわからない状態です。相手のことがわからないので、間違って失礼なことを言ってしまう可能性もあります。
発達障害を持つ人の中には、周りの空気を読むのが苦手な人もいるので、つい失礼なことを言ってしまいがちです。空気を読むのが苦手な発達障害者にとって、電話対応を上手にできないのは当然とも言えます。
理由3.そもそもコミュニケーションが苦手な人が多い
発達障害の中でもASDに当てはまる人は、そもそもコミュニケーションを取ること自体が得意ではありません。会話が苦手な人の中には、日常会話すら上手にこなせない人もいます。
コミュニケーションが苦手な人にとっては、電話対応は非常に困難です。電話は会話だけで成り立っているので、会話が苦手だとスムーズに進みません。相手から何か言われるたびに、思考が停止していると相手に迷惑をかけてしまいます。
電話対応できない発達障害が今すぐできる対処法
電話対応できない発達障害者は以下の方法を試してみてください。
- 電話対応のマニュアルを自作する
- 何回もイメージトレーニングする
- 電話対応の回数を重ねて慣れる
- 会社に相談して電話対応の役割を外してもらう
- 電話対応がない仕事に転職する
- 専門機関に相談して対処法を練る
では6つの対処法を詳しく解説していきます。
対処法1.電話対応のマニュアルを自作する
電話対応できない場合は、まず電話対応のマニュアルを自作しましょう。マニュアルを手元に置いておくことで、次に何を聞くべきかわかるのでスムーズにやり取りできます。
マニュアルさえあれば比較的安心ですが、自分専用のマニュアルを作成することが特に重要です。
会社によっては電話対応に関するマニュアルを用意しているでしょう。しかし、会社のマニュアルは基本的に障害がない人に対して作られています。障害のある人とない人では、つまずくポイントが異なるので、会社用のマニュアルだと障害のある人にとっては不親切です。
マニュアルの効果を活かすためにも、自分専用のものを作りましょう。マニュアルを作る際はつまずきやすいポイントや注意点をまとめておくと電話対応もスムーズに進みます。
対処法2.何回もイメージトレーニングする
マニュアルを用意できたあとは実際にイメージトレーニングしてみましょう。マニュアルの中身をメインにイメトレすることで、マニュアルの完成度が十分なものか判断できます。
そのうえ、頭の中で電話対応をイメージしておけば、本番でも落ち着いて対応することが可能です。特に電話対応の経験が薄い人は、イメージトレーニングから試してみてください。
対処法3.電話対応の回数を重ねて慣れる
イメージトレーニングを積んだら実際に電話対応してみましょう。電話対応の経験を重ねることで徐々に慣れてきます。
最初は電話対応で失敗したときのことを想像してしまって、電話対応を避けてしまいがちです。しかし、経験を積めばコツをつかめてくるので、苦手な人こそ積極的に電話を取りましょう。
ちなみに電話対応したあとは、電話の内容を振り返って良いところと悪いところを出しておくのもおすすめです。結果を出すことで、次の電話対応に活かせて、徐々にクオリティも上がってくるでしょう。
対処法4.会社に相談して電話対応の役割を外してもらう
どうしても電話対応できない場合は、上司に相談して電話対応の役割を外してもらいましょう。さすがに事務職が電話対応を外してもらうのは厳しいですが、ほかの職種なら十分に可能です。
しかし、中には上司へ相談しても許してもらえるか不安になる人もいるでしょう。たしかに電話対応の役割を外すよう伝えたら怒られる可能性もあります。
ただ、電話対応できない人に電話番を任せても会社の損失につながるだけです。電話対応できない人に電話してもらうと会社にとってデメリットが大きいので、たいていのケースで許してもらえます。
対処法5.電話対応がない仕事に転職する
電話対応の仕事を外してもらえなかった場合は、ほかの会社に転職するのもおすすめです。転職する際に電話対応のない職種を選べば、電話対応で悩むこともありません。
特に現在の会社に不満を感じている場合は転職するのがおすすめです。
対処法6.専門機関に相談して対処法を練る
電話対応以外に働きづらさを感じている場合は、発達障害の症状が重い可能性も考えられます。
発達障害は病気と違って重い症状に発展することはありません。しかし、会社で働きづらさを感じていると精神的につらくなってくるので、我慢し続けると倒れるリスクがあります。
精神的につぶれる前に、以下の専門機関に相談してアドバイスをもらいましょう。
- 就労移行支援
- 発達障害支援センター
- 病院
- ハローワーク
上記の場所には障害に詳しい人がいるので、相談することで良いアドバイスをもらえます。自分が本当に発達障害かどうか知りたい場合は、まず病院に行ってみると良いでしょう。
発達障害で悩んでいるなら就労移行支援「ディーキャリア」へ
ディーキャリアは社会で働くことを目的とした発達障害者のことをサポートする就労移行支援事業所です。一般的な就労移行支援と違って発達障害の扱いに特化しています。
自分らしく働きたい発達障害者におすすめのディーキャリアで受けられるサポートは以下のとおりです。
- 障害の相談
- 障害の対処法
- 就職・転職サポート
- 内定後の就労サポート
ディーキャリアなら障害理解や対処法の学習から企業への転職まで一括でサポートしてくれます。
働きづらさを感じている発達障害者は、一度ディーキャリアの無料見学会に参加してみましょう。無料見学会では、実際にスタッフと会話したり、訓練内容の一部を体験できたりします。
体験を通して入所するかどうか決められるので、就労移行支援がどのような場所なのか知りたい人にもおすすめです。
まとめ
電話対応できない人が発達障害の可能性を持っている理由について紹介してきました。
電話対応はマルチタスク能力やコミュニケーション能力が求められる仕事です。意外とスキルが求められる仕事なので、スムーズにこなせる人はあまり多くありません。
特に発達障害の場合はマルチタスクが苦手だったり、相手の雰囲気をつかみ取るのが苦手だったりします。電話対応で求められるスキルに苦手意識があるので、スムーズに電話対応するのが困難です。
電話対応できない場合はマニュアルを作ったり、イメージトレーニングしたりしてみましょう。どうしても改善されない場合は、電話対応のない会社に転職するか、就労移行支援に相談するのもおすすめです。
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