就労移行支援事務所で5年ほど働いていると「発達障害だから就職できない」という悩みをよく耳にしました。もちろん、発達障害だから就職できないといったことはありません。
今回は、発達障害について詳しく解説するとともに、発達障害がある人に向いている仕事や、どのように就職に向かえばよいかを紹介します。
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就職できないのは発達障害だからではない
最初に、就職できないのは発達障害だからではないことをお伝えします。就職活動をしていると不採用が続くかもしれませんが、それは障害がある人に限りません。
障害があってもなくても、採用になるまで繰り返し応募するのが就職活動です。
発達障害があることと就職できないことはイコールではありませんが、発達障害だと働きづらい面があるのは確かです。
そのため、発達障害がある人特有の働きづらさを解消できれば、より就職に近付けるでしょう。
働きにくさを感じる大人の発達障害
発達障害は、症状が軽いとなかなか気付きにくい障害です。そのため、子供の頃は個性として認識されていた部分が、大人になってから発達障害だと分かるケースもあります。
そういった大人の発達障害は、職場での働きづらさをきっかけに発覚することも多いのです。
また、発達障害にはいくつか種類がありますが、症状が一つだけでなく複数の特性が重なっていることもあります。
それでは、発達障害の種類について順に見ていきましょう。
自閉症スペクトラム症(ASD)
自閉症スペクトラム症(ASD)は、
- 自閉症
- アスペルガー症候群
- 特定不能の広汎性発達障害
などの障害をまとめた総称です。
ASDの人は対人関係やコミュニケーションを苦手としており、相手の言葉を理解したり自分の思いを伝えたりすることを難しく感じます。
また、興味を抱く範囲が狭く、言動に強いこだわりがあるのも特徴の一つです。
注意欠如・多動性障害(ADHD)
注意欠如・多動性障害(ADHD)は、不注意と多動・衝動性が主な特徴です。
タイプとしては、
- 不注意が優勢
- 多動性・衝動性が優勢
- 両方の特徴を持つ混合型
の3つに分かれます。
不注意が優勢だと、忘れ物をしたり締め切りを忘れたりといったうっかりミスが多くなります。気が散りやすく、仕事に集中しにくいといった面もあります。
多動・衝動性が優勢だと、じっとしていることや待つことが苦手です。仕事で席を離れられない場合は、貧乏ゆすりをしてしまうこともあります。
また、すぐにカッとなるといった、感情のコントロールが苦手なところも特徴の一つです。
学習障害(LD)
学習障害(LD)は、読み書きや計算を苦手とする発達障害です。知的な発達に遅れがあるわけではなく、理解力に問題はありません。
LDの中の読み書き障害は、似たような形の文字を見分けにくい、漢字が思い出せないなどの理由で読み書きに困難が生じている状態です。同様に、算数障害は、計算や数に対する理解自体が難しいケースもあります。
詳しくは「大人の発達障害とは」の記事を参考にしてみてください。
発達障害に向いている仕事、向いていない仕事
先ほどお伝えしたとおり、発達障害にはそれぞれが苦手とする部分があります。そういった障害特性を無視して就職活動を行うと、なかなか就職に結び付きません。
しかし、障害特性は見方を変えれば強みにもなります。それぞれの障害特性から、発達障害に向いている仕事と向いていない仕事を紹介しますので、仕事を探す際の参考にしてみてください。
自閉症スペクトラム症(ASD)
ASDの人は、人とのコミュニケーションを苦手としていますので、チームで取り組む仕事よりも一人でコツコツできる仕事の方が向いています。また、興味のある分野にこだわり、突き詰めることは、働く上での強みとなるでしょう。
ASDに向いている仕事
ASDの人は興味のある分野で力を発揮できるため、ルールやマニュアルがしっかりとしていてコツコツできる仕事がおすすめです。
具体的に向いている仕事は以下のとおりです。
- デザイナー
- エンジニア
- ライター
- 校正・校閲
- 在庫管理
同じデザイナーであっても、感覚的なファッションデザイナーよりも、プログラムやコードを組み立てるWebデザイナーが向いているでしょう。
ASDの方に向いていない仕事
ASDの方に向いていないのは、コミュニケーションや臨機応変な対応が求められる仕事です。複数のことを並行して行う仕事もあまり向いていません。
具体的には、
- 販売員
- 営業職
- 事務職
- テレフォンオペレーター
などは避けた方がよいでしょう。
しかし、これらの仕事が絶対にできないわけではありません。
業務範囲が広い一般事務には、優先順位に応じて臨機応変な対応が求められます。しかし、一般事務の業務範囲から書類管理だけを専任で行うならば、ASDの特性を生かして仕事ができるでしょう。
また、コミュニケーションを苦手としていても、応答マニュアルが整備されていればコールセンター業務も問題なく対応できます。
詳しくは「ASDの仕事の特徴について」の記事を参考にしてみてください。
注意欠如・多動性障害(ADHD)
ADHDの人は、じっとしていられない、集中力が続かないといった特徴があります。それらは、見方を変えると好奇心が強く行動力があるということです。
そのため、もの作りや仕事の対象に変化がある仕事が向いているでしょう。
ADHDに向いている仕事
ADHDの人は、一つのことを集中して行うよりも、さまざまなことを同時に行う仕事を選ぶのがおすすめです。
具体的には、強みを生かせる以下の仕事が向いています。
- 編集
- カメラマン
- 料理人
- 営業職
- 販売職
上で挙げた仕事は、ADHDの決断力や行動力が評価につながるケースも多く、やりがいを持って仕事ができるでしょう。ただし、感情コントロールが苦手な面もあるため、顧客対応する際は注意が必要です。
ADHDに向いていない仕事
ADHDの人に向いていないのは、以下のような仕事です。
- 運転手
- 校正・校閲
- 経理事務
- 単純作業
- 工場のライン作業
ADHDの人に向いていないのは、ミスが許されない仕事です。不注意の特性が強いADHDの人は、どうしてもうっかりミスが多くなる傾向があります。
運転手といったミスが人命に関わる仕事や、経理や校正といったミスが評価につながる仕事は、ADHDの人にはあまり向いていません。
学習障害(LD)
LDの人は、どの職業が向いているかよりも、苦手とする部分があまり関わらない仕事を選ぶとよいでしょう。もしくは、何らかの方法で苦手を補える仕事がおすすめです。
LDに向いている仕事
LDの場合、同じ職業であっても、職場での対応によって仕事がやりやすいかどうかが変わります。
例えば、読むことが苦手なら、絵や図を用いて仕事の説明をしてくれる職場では問題なく働けるでしょう。
LDの人には、機械操作といった仕事内容にあまり変化がない仕事が向いています。
LDに向いていない仕事
読むことを苦手とするLDの場合、確認に時間がかかるため、マニュアルが定期的に更新される仕事はあまり向いていません。
LDの場合は、その場でメモを取ることも苦手なケースがあります。仕事内容に定期的に変化があったり新たな対応が追加されたりすると、メモを取る必要性が生じて負担に感じてしまうでしょう。
発達障害の方が就職できないときに考えたいこと
最初にお伝えしたとおり、発達障害だから就職できないわけではありません。発達障害があっても活躍している人も多く、発達障害であることにとらわれ過ぎるのもよくないですね。
発達障害がある人の場合、就職自体の難易度は高くありません。ただし、就職後に継続して働くことに対する難易度は高めです。
それは、障害特性によって対人関係や業務に支障が出て、何らかの問題が生じるケースが多いからです。
そういった事情もあるため、就職活動を行う際に、障害を明かすオープン就労か、障害を伝えないクローズ就労のどちらにするかも考える必要があります。
オープンとクローズどちらで就職を目指すにしても、まずは自分の障害特性を正しく理解することが大切です。
できることとできないこと、そして苦手なことと得意なことを明確にして、自分に合った仕事と職場を探しましょう。
そのためには、自分一人で行う就職活動では限界があります。障害がある人の就職をサポートする就労移行支援の利用を検討してみましょう。
なかなか就職できないと悩んでいるのであれば、就労移行支援のサポートを受けることが就職への近道です。
詳しくは「発達障害の仕事の探し方について」の記事を参考にしてみてください。
就労移行支援でサポートを受けよう
就労移行支援は、一般企業への就職を目指す65歳未満の人が受けられる障害福祉サービスです。就労移行支援に通って、就職に向けたトレーニングを行います。
事業所の利用料金は1カ月0円~37,200円です。金額は前年度の収入によって変わりますが、多くの人は無料で利用できています。
利用期間は原則2年間です。ただし、就職が決まるまでの利用ですので、早ければ1年未満で卒業となるでしょう。また、1年間延長できるケースもあります。
就労移行支援での具体的なサポートは以下のとおりです。
一人ひとり違う障害特性に合わせた支援計画
発達障害には3つの種類がありました。同じ障害であっても、症状の出方が違ったり複数の発達障害が重なったりするなど、障害特性は一人ひとり異なります。
そのため、就労移行支援では、最初に個別の支援計画を作成します。できるだけ早めに就職したい、苦手を克服したいなど、就職に向けた課題や希望も人それぞれです。
利用者本人と事業所スタッフの面談を通して、一人ひとりの希望に合わせてどのようなトレーニングを行うかを決めます。
その後のトレーニングやサポートは個別支援計画に沿って進めます。目指すところを最初に共有しているため、就職に向かって着実に力を付けていけるでしょう。
「できない」を克服するトレーニング
具体的なトレーニングの内容は事業所によって異なります。プログラミングといった専門スキルを学べたり、発達障害に特化していたりなど、事業所ごとに強みもさまざまです。
発達障害がある人におすすめしたいのは、障害特性に合わせて、働きやすくするためのトレーニングです。
例えば、
- 生活リズムを正すトレーニング
- コミュニケーションスキルのトレーニング
- 感情コントロールのトレーニング
などがあります。
苦手なことへの対応を学べば、就職してからの働きづらさを軽減できるでしょう。何より、これまで苦労したり悩んだりしたことを自信に変えていけます。
悩みを相談できる就職活動
就労移行支援では、障害を抱えてどう働くかを相談することも可能です。また、希望に合わせて障害に配慮してくれる職場を探すこともできます。
どう働きたいかを相談しながら就職活動できるため、自分自身が納得して長く働ける職場が見つかります。
また、就職活動において、応募書類や面接について「これでいいのかな?」と思ったことはないでしょうか。就労移行支援で応募書類の添削や面接対策を受ければ、自信を持って応募できるようになるでしょう。
就職してからも続くサポート
就労移行支援では、就職してからもサポートが続きます。定期的な面談や相談など、就職してからも定着支援が受けられるため、新しい職場で悩むことがあっても安心です。
発達障害がある人は、これまで多くの働きづらさを抱えて仕事をしてきました。社外に相談できる人がいる心強さは、新しい職場に対する不安を和らげてくれるでしょう。
悩みの内容や状況によっては、事業所スタッフが職場の上司と面談してくれるケースもあります。
関連記事:就労移行支援事業所とは?働きたい障害者の就職不安を手助けする場所
まとめ
発達障害がある人の場合、自分自身の障害特性について理解することから始めましょう。まずは自分自身を知ることが大切です。
しかし、自分の障害特性を理解できても、それを説明しながら就職活動を行うのは大変なことです。その場合は、就労移行支援の利用を検討してみましょう。就労移行支援を利用することで、さまざまな不安や働きづらさを軽減できます。
就労移行支援は「就職できない」を「就職できる」に変える1番の近道です。
更に詳しく知りたい方は「発達障害/ADHDの就職支援について」の記事を参考にしてみてください。
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