就労移行支援事務所で5年ほど働くなかで「発達障害でも就労移行支援を利用できる?」という質問を何度か受けました。
そこで今回は、発達障害と就労移行支援について詳しく解説します。就労移行支援がどういったサービスなのかに加え、就労移行支援を利用して就職するまでの流れを知りましょう。
発達障害でも就労移行支援を受けられるのか、また受けるための基準は何かと分からないことが多くて不安になりますよね。
発達障害がある人の不安や事例もお伝えしますので、あなたが就労移行支援の利用を検討するための参考にしてみてください。
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就労移行支援を発達障害の人は利用できる?
発達障害がある人は就労移行支援を利用できます。実際に、発達障害に特化した就労移行支援事業所もありますので、まずは安心してください。
就労移行支援は障害者手帳を持つ人限定ではない
就労移行支援は、障害がある人の就職をサポートします。しかし、障害者手帳を持っていることは、就労移行支援を利用する条件ではありません。
就労移行支援を利用できるのは、
- 身体障害
- 知的障害
- 発達障害
- 精神障害
- 難病
といった障害がある人です。
障害者手帳を持っているかではなく、就職にあたってサポートが必要かどうかで就労移行支援を利用するかどうかを判断します。
大人になってから発達障害が分かった場合、障害者手帳を持っていないケースが多いのではないのでしょうか。2010年に、発達障害も障害者自立支援法の対象となることが決まり、発達障害がある人も障害者手帳を取得しやすくなりました。
就労移行支援を利用するのに障害者手帳は必須ではありません。しかし、就労以外のシーンでサポートが必要なら、障害者手帳の取得を検討するのも一つの方法です。
一般企業で働きたい18歳以上65歳未満の人が対象
就労移行支援には65歳までの年齢制限があります。就労移行支援は一般企業への就職を目指すサービスですので、利用できるのは一般的に定年となる65歳までです。
また、就労移行支援の利用期間は原則として2年間です。ただし、2年を超えても1年間延長できるケースもあります。
つまり、就労移行支援は、65歳未満で2年以内に就職できる能力がある人を対象としたサービスだということです。
詳しくは「就労移行支援の対象者について」の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
就労移行支援を通しても発達障害がある人の就職に対する不安って?
発達障害にはいくつかのタイプがあり、タイプによって得意とすることや苦手とすることが異なります。タイプごとに不安に思うことが多い例を紹介しますので、仕事探しの参考にしてみてください。
自閉症スペクトラム症(ASD):コミュニケーションが苦手
自閉症スペクトラム症(ASD)は、
- コミュニケーションや対人関係の障害
- 限定された物事に対する強いこだわり
といった特徴がある障害の総称です。
これまで、自閉症やアスペルガー症候群と呼ばれていた障害が、判別が難しいことや症状が重複することから一つに統合されました。
自閉症
自閉症の人は、人とのコミュニケーションを苦手とするケースが多く見られます。そのほか、興味を持つことや行動に強いこだわりがあるのも自閉症の特徴の一つです。
そういった特徴から、職場での人間関係を築くのが難しく、その点を不安に感じることがあります。そして、こだわりが強いため、自分に合わない仕事内容や環境が負担になることも。
アスペルガー症候群
アスペルガー症候群は、自閉症と同じく人とのコミュニケーションを苦手としており、物事に対する強いこだわりがあります。そのため、臨機応変な対応やそれに伴う人とのコミュニケーションに不安を感じやすいでしょう。
コミュニケーションスキルのトレーニングを受けたり、決まった手順で行える仕事を探したりして、対応力を育てることがおすすめです。
アスペルガー症候群は知的な遅れがないため障害に気付きにくく、職場でのトラブルをきっかけにアスペルガー症候群だと分かるケースも多くあります。
注意欠如・多動性障害(ADHD):長時間集中することが苦手
注意欠如・多動性障害(ADHD)は、
- 集中力が続きにくい
- じっとしていられない
- 行動衝動を抑えにくい
といった特徴があります。
仕事においては、うっかりミスが多かったり長時間の集中が苦手だったりします。そのため、「またミスをしてしまうのではないか」という不安を抱える人が多いでしょう。ミスが増えることで自分を責めてしまい、自分に自信を持てなくなってしまっているケースも。
ADHDの人には、時間を区切って長時間にわたって同じ仕事をしないといった工夫もおすすめです。ADHD特有の苦手をカバーできるように、まずは自分の特性を知っていきましょう。
詳しくは「ADHDの仕事について」の記事を参考にしてみてください。
学習障害(LD):読み書きや計算が苦手
学習障害(LD)は、読み書きや計算を苦手とする発達障害です。知的障害と違って理解力といった全般的な知的発達に遅れはありません。
- 読み書きが苦手なLDの場合は、似たような形の文字を見分けるのが難しく、書類の内容を読むのに時間がかかってしまうことも。計算を苦手とする場合、計算だけでなく数字そのものへの理解が難しいといった特徴があります。
LDの場合、障害があることが分かりにくいため、自分自身が障害特性を理解することも重要です。
就労移行支援で発達障害の人のどんなサポートをしてくれる?
発達障害がある場合、人とのコミュニケーションをはじめとした仕事上の小さな部分に引っ掛かってしまうことがあります。そういった発達障害の人が働きにくいと感じることに対して、しっかりサポートして就職を目指すのが就労移行支援です。
個人に合わせた個別支援計画を作成する
先ほどお伝えしたように、発達障害にもいろいろな種類があります。また、同じ障害であっても、症状の出方は人によって異なるため、ほかの人のケースが自分に当てはまるとは限りません。
就労移行支援では、まずは利用者個人に合わせた個別支援計画を作成します。事業所のスタッフとの面談を通して、得意なことや苦手なこと、目指す方向や望んでいることを明確にしていきましょう。
発達障害の特性や自分自身のできることとできないことを明確にすると、どのような職場なら働きやすいかが見えてきます。そして、長く働き続けるために、どういったトレーニングをすればよいかも分かるでしょう。
そういった、これから就労移行支援でどういうトレーニングをしていくかの指針が、利用者に合わせて作成した個別支援計画です。
苦手なことへの対処力を身に付ける
発達障害がある人が働きにくさを感じるのは、発達障害の特性が原因となっているケースが多いでしょう。しかし、同じ診断名の人が全て同じ特性というわけではありません。
そのため、自分の障害特性を知ったうえで、その対処力を身に付けることが必要なのです。
例えば、相づちや質問の仕方といったコミュニケーションスキルのトレーニングを行えば、人間関係におけるトラブルを軽減できるでしょう。そのほか、感情をコントロールする方法を学んだり、生活リズムを安定させたりといったトレーニングもあります。
また、トレーニングの一環として職場を体験し、どのようなときにミスをしてしまうかの検証もできます。検証とトレーニングを繰り返せば、働くことに対する自信を得られるでしょう。
希望に応じた企業に就職できるようにサポート
長く働き続けるためには、勤務形態や給与といった条件面が希望に合っていることも大切です。そのためには、得意なことやこれまでの経験を生かすことを考える必要もあります。
働きやすさや条件を考えたうえで応募を決めたら、応募書類の添削や面接対策といったサポートも受けられます。臨機応変な対応が苦手であっても、事前に面接の練習ができれば、当日は落ち着いて挑めるでしょう。
また、就労移行支援事業所によっては、独自に求人案件の開拓を行っているところもあります。ハローワークの求人は競争率が高くなる可能性もあるため、発達障害に理解のある企業の求人を独自公開してくれるのはうれしいですね。
長く働き続けるためのアフターフォロー
就労移行支援は、就職したら終わりではなく、就職してからも働き続けるためのサポートを行います。
就労移行支援を卒業して新しい生活が始まると、また新たな悩みが出てくるかもしれません。就労移行支援の定着支援では、定期的な面談で入社後のフォローを行います。
困ったときに相談できるという安心感があれば、新しい環境に感じる負担も少なくなるでしょう。
就労移行支援を発達障害の人が利用するまでの流れは?
続いて、就労移行支援を利用するまでの流れを紹介します。申し込んですぐに利用できるわけではありませんので、前もって大まかな流れを知っておきましょう。
通いたい事業所を探す
まずは、通いたい事業所の選択からです。具体的にどのようなサポートが受けられるかは、事業所によって異なります。
例えば、当サイトがおすすめする「ディーキャリア天王寺」は発達障害に特化した事業所です。ディーキャリア天王寺のように、発達障害の支援に特に力を入れている事業所をおすすめします。
事業所の見学・説明会への参加
通えるかどうかの判断も含めて、実際に事業所に行って見学したり説明会に参加したりすることをおすすめします。事業所や利用者の雰囲気を確認することも大切です。
訓練プログラムの無料体験があれば、積極的に利用して実際に通う自分をイメージしてみましょう。
また、説明会やプログラム無料体験の際に、個人面談がある事業所もあります。不安や悩みを相談する場として活用してください。
詳しくは「就労移行支援の見学について」の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
障害福祉サービス受給者証の申請
就労移行支援を利用するためには、障害福祉サービス受給者証が必要です。まずは、自治体の担当窓口で受給者証を申請しましょう。
受給者証を申請してから発行までは1カ月ほどかかります。受給者証が届いたら、事業所との利用契約を行い通所が始まります。
発達障害がある人の就職事例を紹介
最後に、発達障害のある人が、就労移行支援に通ってどう就職したのかの事例を紹介します。より細かな内容は、ディーキャリア利用事例のページで確認できますので参考にしてみてください。
参考:ご利用事例|発達障害のある方の「働く」をサポートする就労移行支援事業所 ディーキャリア
注意欠如・多動性障害(ADHD)があるTさん
Tさんは感情のコントロールが苦手で、上司の指導や同僚からの指摘に対してひどく落ち込んでしまうことがありました。そのストレスが原因で体調を崩してしまうことも。
就労移行支援では、体調管理シートを活用してストレスとの付き合い方を学び、感情コントロールもできるようになりました。
Tさんは8カ月の訓練期間を経て就労移行支援を卒業し、アルバイトとして東証1部上場企業に入社しました。入社1年後には正社員として登用される予定です。
また、Tさんは優先順位を付けることが苦手なため、就職先では優先順位付けのサポートや進行の定期確認といった配慮を受けています。
⾃閉症スペクトラム障害(ASD)があるMさん
コミュニケーションが苦手なMさんは、慣れない環境では人への恐怖心を感じることもありました。言葉の意図を読み取れず的外れな行動を取ってしまい、自分が働くのは無理だと思っていたそうです。
Mさんは、コミュニケーションチェックリストを用いてトレーニングすることで、コミュニケーションに対する恐怖心を和らげることに成功しました。
就労移行支援を8カ月で卒業し、正社員登用のある会社で契約社員として働いています。職場では、意図が伝わっているか、理解できているかと確認しながら仕事をしています。
まとめ
発達障害は知的な遅れがないため、なかなか気付きにくい障害です。大人になって就職してから、コミュニケーションや業務に困難が生じて、初めて発達障害だと診断された人も多いでしょう。
就労移行支援なら、発達障害の傾向に合わせた働くためのトレーニングを受けられます。障害特性を理解して自分の得意と不得意を知ることで、周囲から理解されにくかった働きづらさも和らぐでしょう。
就労移行支援事業所のスタッフが一緒に考えますので、働くことに対する悩みは気軽に相談してくださいね。
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