障害のある人が就職する際に、障害者トライアル雇用という制度があります。トライアル雇用は試用期間とはどう違うのでしょうか。就労移行支援といった障害福祉サービスと併用できるのかどうかも気になりますね。
この記事では、障害者トライアル雇用についての疑問を解説しながら、どういった制度なのかを詳しく紹介します。障害者トライアル雇用を利用して就職しようと考える人は、参考にしてみてください。
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障害者トライアル雇用ってどんな制度?
障害者トライアル雇用は、簡単にいうと本格的に採用する前のお試し雇用です。
本採用の前にお試し期間を設けることで相互理解が深まります。障害者トライアル雇用は、障害がある人にとっても企業にとっても、メリットがある制度です。
それでは、制度の詳細について順に見ていきましょう。
継続雇用前のお試し雇用
障害者トライアル雇用とは、本採用前の一定期間、試しに働いてみることです。
障害による働きづらさやブランクがある場合、就職が決まっても働けるかどうか不安に思うことがあるでしょう。障害者トライアル雇用であれば、まずは一定期間、試しに働いてみることができます。
どんなによい会社であっても、働いてみないと分からないことはたくさんあります。本採用前に仕事内容や一緒に働く人たちを知る機会があることは、就職に対する不安を和らげてくれるでしょう。
障害者トライアル雇用は、雇う企業にとってもメリットがあります。障害者雇用が初めての場合、企業も障害がある人に任せる仕事や必要な配慮について不安を抱いています。
障害者トライアル雇用で障害がある人と実際に接することで、適性を見極めた上で任せる仕事を用意でき、必要な配慮についての理解も深まるでしょう。
障害者トライアル雇用を利用すれば、障害がある人と企業のミスマッチを防ぐことが可能です。
トライアル期間は3~12ヶ月
トライアル期間は原則として3カ月間です。ただし、精神障害がある人は、原則6カ月最大12カ月までがトライアル期間となります。
障害者トライアル雇用の期間中は、1週間の所定労働時間は20時間以上に定められています。しかし、週に20時間以上働くのが難しいケースもあるでしょう。
その場合、精神障害と発達障害がある人は、障害者短時間トライアル雇用制度が利用できます。
障害者短時間トライアル雇用は週10~20時間の労働から始めて、トライアル期間中に20時間以上とすることを目標とします。障害者短時間トライアル雇用のトライアル期間は、3カ月~12カ月です。
障害者トライアル雇用の対象者
障害者トライアル雇用の対象者は以下のとおりです。
1、紹介日において就労の経験のない職業に就くことを希望している
2、紹介日前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している
3、紹介日前日時点で離職期間が6カ月を超えている
4、重度身体障害、重度知的障害、精神障害のうちいずれかがある
4にあてはまる場合は、1~3の要件にかかわらず障害者トライアル雇用の対象になります。
具体的に障害者トライアル雇用の対象者を見ると、新しい環境に向かおうとする人にとってはとても励みとなる制度だということが分かります。
新しい職業にチャレンジする人やブランクがある人など、働くことに不安がある人は障害者トライアル雇用を利用すればチャレンジしやすいでしょう。
また、トライアル雇用には、障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコースに加えて一般トライアルコースもあります。
一般トライアルコースは対象者となる条件が異なるため注意しましょう。
一般トライアルコースの対象者は以下のとおりです。
- 紹介日前日より過去2年以内に2回以上離職や転職を繰り返している
- 紹介日前日時点で離職期間が1年を超えている
- 妊娠・出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で安定した職業に就いていない期間が1年を超えている
- 紹介日時点で、ニートやフリーター等で45歳未満
- 紹介日時点で、就職の援助をおこなうにあたり特別な配慮を要する
障害者トライアル雇用のメリットは?
それでは、障害者トライアル雇用にはどういったメリットがあるのでしょうか。どういったメリットがあるのか具体的に見ていきましょう。
自分に合った仕事かどうか確かめられる
障害者トライアル雇用の大きなメリットは、本採用の前に仕事内容が自分に合っているかどうかを確かめられることです。
これまでの経験が通用するのか、自分にできる範囲の仕事なのか、そういった点を前もって確認できるため、長く働き続けられるかどうかをしっかり考えられます。
また、実際の仕事を体験することで仕事への理解も深まるでしょう。
仕事への適性があるかどうかを見極められるため、長く働き続けられるかどうかを判断した上で就職できます。
働きやすい職場環境かどうかを見極められる
障害者トライアル雇用は、仕事内容だけでなく、働く環境も前もって確かめられます。
長く働き続けるために大切なのは仕事内容だけではありません。職場の人間関係や環境も大事な要素です。
障害者トライアル雇用では、これから一緒に働く人を知ることもできます。職場環境や職場の雰囲気は、働きやすさを大きく左右します。
それらを前もって確かめられるのも、働く上での不安解消に役立ちます。
また、トライアル雇用で実際に勤務することで、通勤のしやすさを確かめられるのもメリットだといえるでしょう。
面接に行ったときは通勤しやすい場所だと思っていても、出勤時間帯は通勤ラッシュがひどく、通勤に苦労するかもしれません。また、駅からの所要時間や環境によっては、雨の日の通勤が大変です。
就職すると毎日通勤することになるため、通いやすさが体調に影響を与える可能性もあります。通えるかどうかは慎重に判断しましょう。
必要とする配慮を伝えやすい
障害特性によって苦手とすることがある場合、職場に配慮をお願いすることもあるでしょう。トライアル雇用期間があれば、仕事をする上でどのような設備や支援、配慮が必要なのかを伝えられます。
企業にとっても、雇用する人がどのような配慮を必要としているかは気になるポイントです。トライアル期間中に必要な支援や設備を確認することで、本採用前に環境を整えることができます。
障害がある人にとっても企業にとっても、事前に認識をすり合わせられるのは大きなメリットです。
障害者トライアル雇用のデメリットは?
メリットに続いて、障害者トライアル雇用にどのようなデメリットがあるのかもお伝えします。メリットだけでなくデメリットも理解した上で、制度を利用しましょう。
採用が確約されているわけではない
障害者トライアル雇用の1番のデメリットは、本採用が確約されているわけではないということです。
トライアル期間の終了後、障害がある人と企業の双方が同意すれば本採用となりますが、採用しなければならないという義務はありません。
この点が、試用期間と大きく異なる点です。試用期間の場合は、本採用を前提としているため、試用期間で終了する場合は解雇扱いとなります。解雇には正当な理由が必要となり、企業としてはそう簡単に解雇はできません。
障害者トライアル雇用の場合、本採用とならない可能性があることも覚えておきましょう。ただし、実際は全国で86.1%の利用者はトライアル雇用の後に継続雇用となっています。
トライアル雇用されるとは限らない
障害者トライアル雇用のもう一つのデメリットは、トライアル雇用を希望していても利用できるとは限らないということです。
まず、全ての企業が障害者トライアル雇用を実施しているわけではありません。企業側には書類の提出といった手間がかかるため、障害者トライアル雇用を利用していないケースも多いのです。
誰もが利用できるわけではないため、希望する就職条件に近い求人があった場合はできるだけ挑戦してみることをおすすめします。
また、障害者トライアル雇用の求人に応募しても、選考の結果、不採用となってしまうケースもあります。しかし、障害者トライアル雇用の場合は、書類選考ではなく面接での選考となります。
必ず面接を受けられるというのは、障害者トライアル雇用のメリットだともいえるでしょう。
就労移行支援のサポートでトライアル期間も安心
障害者トライアル雇用を検討する場合、採用後すぐに働き始めることに不安があるケースもあるのではないでしょうか。
働くことに不安がある場合は、障害者トライアル雇用に挑戦する前に、就労移行支援で働くためのトレーニングを行うことをおすすめします。
障害がある人の就職をサポートする就労移行支援
就労移行支援は、障害がある人の就職をサポートする障害福祉サービスです。就労移行支援事業所に通いながら、PCスキルやビジネスマナーといった働くために必要なスキルを身に付けられます。
感情コントロールやストレスケアなど、障害や病気との付き合い方を学ぶこともできます。就労移行支援でトレーニングを重ねると、働くことに対して自信が持てるようになりますよ。
就労移行支援の利用には、
- 65歳未満まで
- 原則2年間
といった制限があります。
利用期間は原則として2年間ですが、就職が決まるまでの利用ですので、就職が決まった時点で卒業です。もし2年間で就職が決まらなかった場合、1年間延長できるケースもあります。
事業所の利用料金は前年度の世帯所得で決まります。事業所によって金額が違うといったことはありません。
具体的な料金は以下のとおりです。
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯(※1) | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯
(所得割16万円(※2)未満) ※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除きます(※3)。 |
9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
(※1)3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。
(※2)収入が概ね600万円以下の世帯が対象になります。
(※3)入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となります。
詳しくは「就労移行支援とは」の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
就労移行支援は就職後も定着支援を受けられる
修朗移行支援のサポートは大きく分けると以下の3種類です。
- 就職訓練
- 職場探し
- 定着支援
就職訓練では、就職するための準備として、生活リズムを整えたり働くために必要なスキルや知識を身に付けたりといったトレーニングを行います。
職場探しでは、自分に合った職場を探す手助けをしてもらえます。応募書類の添削や面接対策のほか、場合によっては事業所スタッフが面接に同行するケースもあります。
定着支援は就職してからのサポートです。就職先で長く働き続けるための支援で、メールや電話で相談を受けたり、利用者や就職先の担当者と面談をしたりといったサポートを受けられます。
就労移行支援を利用する人の中には、就職することより長く働き続けることの方が難しいと考える人も少なくありません。障害者トライアル雇用の利用を検討する人も、就職後に不安を抱えているケースは多いでしょう。
就労移行支援事業所を通してトライアル雇用に応募すれば、面接やトライアル期間もスタッフのサポートが受けられます。
新しい環境に身を置くときは、誰でも少なからず不安な気持ちがあるものです。それでも、社外に相談できる人がいるという安心感があれば、不安を軽減できるでしょう。
長く働き続けるためには、本格的に働き始める前に不安な部分を解消しておくことが重要です。そのためには、就労移行支援と障害者トライアル雇用の併用がおすすめです。
詳しくは「就労定着支援とは」の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
まとめ
障害者トライアル雇用は、障害がある人と企業両方に大きなメリットがある制度です。本採用の前に仕事内容や職場の雰囲気を確かめられるため、ミスマッチを防ぐことができます。
就職して働くことに対する不安が強い場合は、障害者トライアル雇用の前に、就労移行支援でトレーニングして自信をつけるのもおすすめです。
トライアル期間もサポートを受けられるため、就労移行支援を通して障害者トライアル雇用に応募することを検討してみましょう。
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