就労移行支援では、スキルアップやコミュニケーション能力の向上など、就職や復職に必要な訓練を行ってくれます!
仕事や人間関係に不安を抱えている人にとって、積極的に利用したいサービスですが、在職中の方は原則利用することができません。そのため心配になるのが、生活費といった金銭問題ではないでしょうか?
そこで今回は、就労移行支援の利用条件や、受けられる金銭面の公的サービスについてご紹介していきます。
就労移行支援の選び方についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
詳しくは「就労移行支援の選び方について」の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
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在職中は就労移行支援は原則利用できない
就労移行支援は「今働くことが難しい人が、働けるようになるための場所」という位置づけなので、在職中の方だけでなく、アルバイトをしている方も利用することができません。
しかし、『原則』は利用できませんが、お住まいの自治体と事業所の判断で利用できる場合もあります。
例えば、「今は非正規やアルバイトだが、正社員になりたい」など、前向きな理由があると許可が下りやすいようです。
どうしてもハードなスケジュールになってしまうので、離職してから就労移行支援を受けらえる方がほとんどです。
休職中は条件次第で利用可能
在職していても、休職中の場合は以下の条件をすべて満たすことで、就労移行支援を利用することができます。
- 休職中の方を雇用する企業、地域の就労支援機関、および医療機関が復職支援(リワーク支援)ができない場合、又は困難である場合
- 休職中の方が復職を希望し、企業および医療機関側も支援により復職が適切と判断している場合
- 休職中の方が就労移行支援などを利用することで適切なサポートが受けられると市区町村が認めた場合
まずは、市区町村の窓口に相談することがとても大切です!原則利用できない場合でも、現状や働きたい意思が伝わることで、利用の許可が降りる場合がります。
自分が対象かわからないという人は、必ず市区町村の窓口に相談に行ってくださいね。
詳しくは「就労移行支援とアルバイトの併用について」の記事を参考にしてみてください。
就労移行支援利用中の生活費について
就労移行支援のサービスを受けている多くの人が、収入がない・貯金を切り崩している状態で利用しています。家族からの支援がある場合は安心ですが、そうでない場合は公的サービスを利用しましょう。
失業保険
雇用保険に加入していた場合、失業した人が再就職するための支援として給付される制度です。
対象 | 直前まで就労していた人 |
給付金額 | 働いていた時の給与の5~8割程度支給 |
給付期間 | 障害のある人→5~12ヵ月 その他→3~11ヵ月 |
申請窓口 | ハローワーク |
病気やケガ・妊娠や育児など、すぐに就職することができない場合は、失業給付金を受けることができないので注意してください。
障害年金
病気やけがで生活に支障が出た場合、国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」を請求することができます。
対象 | 障害や病気によって生活に支障が出た人 |
給付金額 | 【障害基礎年金】1級…781,700円×1.25(+子の加算)
2級…781,700円(+子の加算) 【障害厚生年金】1級…報酬比例年金額×1.25(+配偶者224,900円) 2級…報酬比例年金額(+配偶者224,900円) 3級…586,300円 |
給付期間 | 永久認定→生涯 有期認定→障害の状態を定期的に報告して更新 |
申請窓口 | 年金事務所、自治体の窓口、共済組合 |
詳しい計算式が知りたい方は、日本年金機構の「障害年金」をご参照ください。
生活保護
生活に困窮している人に対し、困窮の程度に応じて必要な給付を行い、自立できる環境を整える制度です。
対象 | 収入が最低生活費(世帯人数や年齢、地域の等級によって異なる)に満たない人 |
給付金額 | 最低生活費から自分の収入を差し引いた差額分 |
給付期間 | 生活が困窮している状態が継続している期間 |
申請窓口 | 役所、福祉事務所 |
生活保護で支給される扶助の種類は以下の通りです。
- 生活扶助(日常生活に必要な費用)
- 住宅扶助(アパートの家賃)
- 教育扶助(義務教育に必要な学用品費)
- 医療扶助(医療サービス費用)
- 介護扶助(介護サービス費用)
- 出産扶助(出産費用)
- 生業扶助(就労に必要なスキル習得費用)
- 葬祭扶助(葬祭費用)
給付・貸付金制度
どの公的サービスも受けられない・生活費が足りないという人は、自治体や社会福祉協議会が行っている、給付金・貸付金の制度を利用することができます。
対象 | 内容 | |
住居確保給付金 | ・離職、廃業後2年以内or給与等を得る機会が、離職や廃業と同程度まで減少している
・世帯の預貯金額が各市区町村で定める額を超えていない ・月の世帯収入額が、<市町村民税の均等割が非課税となる額の1/12+家賃の合計額>を超えていない |
生活保護の住宅扶助額を上限に、実際の家賃額を原則3か月間(延長は2回まで最大9か月間)支給 |
総合支援資金(貸付) | ・低所得者世帯
・障害者世帯(手帳の交付あり) ・高齢者世帯(65歳以上) |
貸付から6ヵ月後の据置期間経過後10年以内に返済。
※保証人あり=無利子 保証人なし=年1.5% |
臨時特例つなぎ資金(貸付) | ・住居のない離職者
・公的給付制度や公的貸付制度の申請を受理されており、当該給付等の開始までの生活に困窮している ・金融機関の口座がある |
公的給付金または公的貸付金の交付を受けたor不承認になってから、1か月以内に全額を一括で返済。
※無利子 |
貸し付けの場合は、返済する必要があるのでご注意ください。
就労移行支援の訓練で工賃がもらえることがある
就労移行支援は就職するための訓練の場所なので、基本的に工賃は発生しません。むしろ前年度の世帯収入によっては、利用料金が発生する場合があります。
<就労移行支援の利用料金>
前年度の世帯収入 | 自己負担上限額 |
生活保護 | 0円 |
300万円以下 | 0円 |
300万円以上600万円以下 | 月額9,300円 |
600万円以上 | 月額37,200円 |
就労移行支援所の中には、軽作業に対する工賃を受け取ることができる事業所もあります。月の工賃が1万円程度なので、生活費の足しにするのはむずかしい金額ですが、働いた分のお金がもらえるのは嬉しいですね。
しかし、工賃はあくまでもおまけとして捉えましょう。長く続けても生活をすることができる金額ではありません。
就労移行支援所では、個々の障害に寄り添った支援を受けたり、スキルアップのプログラムを受けながら、きちんとした賃金で働けるようになることが目的です。
失敗しない就労移行支援所の選び方のポイント
ポイント1.特性や障害への専門性
就労移行支援所によって、対応できる障害の種類が異なる場合があります。まずは、自分の障害や特性が対象かどうか確認しておきましょう。
全ての障害に対応している事業所もありますが、自分の障害や特性に対して「専門のスタッフや知識はあるのか」「必要なバリアフリーになっているか」などを確認しておくことをおすすめします。
ポイント2.プログラム内容
それぞれの就労移行支援所によって、プログラム内容の特徴がありあります。働く上で有利になるスキルアップ講座や、障害や特性を理解したり、苦手を克服するプログラムなどが用意されています。
「得意なことを伸ばせる内容か」「自分の苦手を克服できる内容か」「希望の職種に向けて学べる内容か」といった点を確認しておきましょう。
詳しくは「就労移行支援の見学について」の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
ポイント3.就職実績や定着率
多くの就労支援所では、就職実績や就職後の職場への定着率について公表しています。特に確認しておきたいのが「定着率」です。
定着率が高いということは、個々の特性や障害に合った職場の紹介や、就職後のサポートがしっかり行われているということがわかります。
就職することがゴールではなく、働き続けられることがとても大切なので、就職後もしっかりとサポートしてくれる事業所を選びましょう。
詳しくは「就労定着支援の定着率について」の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
まとめ
就労移行支援を利用する際は、在職中やアルバイトをしている方は原則離職する必要がありますが、離職前にお住まいの自治体や事業所に一度相談してみてください。
その上で離職を選択した場合は、生活費に困らないように公的サービスを利用しましょう。
<利用できる公的サービス一覧>
- 失業保険
- 障害年金
- 生活保護
- 給付、貸付金制度
このような公的サービスを利用しながら、安心して就労移行支援のプログラムを受けてくださいね。
更に詳しく「就労移行支援とは」について知りたい方は記事で紹介しているので参考にしてみてください。
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